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Interview  Vol.01 Interview  Vol.01

土地づくり×香り 新しい香りを作る 富山の土壌で香りを作るプロジェクト

富山県
農林水産総合技術センター
農業研究所 所長

大島晃

株式会社HERBAL8

安藤まりえ
安藤きこ

農業技術者・大島さんとの出会い

安藤まりえ私たちはHERBAL8独自の特徴的な香りをつくりたいと考えて、紫蘇をベースにブレンドすることにしました。
富山県内で紫蘇農家さんを探しましたが、大量に栽培しているところはなく、また無農薬栽培も見つからず、どうしようかと悩んでいました。
そんな中で大島さんをご紹介いただき、春先に大島さんが作っている野菜や畑を見せてもらいました。
その時に大島さんに栽培ノウハウを教わりたいと決意したことが、大島さんとプロジェクトを進めるきっかけになりました。

大島私は富山県の職員ですが、最初25年間は普及指導員として農業者に技術指導をしていました。
その後、県の農業技術課長になった時に安藤さんが県庁に見えられたのが初めての出会いです。
私たちは技術指導をするのが専門で、紫蘇に関していうと大きく分けて、青紫蘇・紫紫蘇・紫ちりめん紫蘇の3種類があるということや、紫蘇は種を蒔く時に種に土をかけると発芽しにくいなど、基礎知識を伝えながら、安藤さんに苗作りを進めてもらいました。

安藤まりえ最初に大島さんに熱弁したのは、“富山の土壌の豊かさを香りで発信していきたい”という想いでした。
世界規模で見ると、世の中に良い香りはたくさんありますが、自然に囲まれた富山で育った植物をブレンドした香りで、“富山県って自然豊かな街だよね”と感じてもらえる、そういう取り組みをやってみたいとお伝えしました。

富山の自然豊かさを香りで発信

安藤まりえ富山県の空気は、肺にしっかり染み渡るくらいグッと吸い込めるような澄みきった空気が流れています。その空気の鮮度を香りに落とし込みたいと思いました。そうした香りづくりの過程や思いを、展示会やイベントで発信しています。

安藤きこ青紫蘇を食べた時の鼻から通るスッキリ感は、精油でも感じることができるんです。
特に赤ちりめん紫蘇は、フレッシュな状態から香りを抽出すると、すごく香水のような香りで、香気成分がたくさん出ます。シングルノートとして魅力的な香りです。

安藤まりえ食べても健康、香っても健康というのが理想です。香ることがオシャレというファッション的な考えがあっても良いと思います。
紫蘇は人にとって栄養価や薬効があり、ペリルアルデヒドと言われ、漢方として認められている香気成分も実際に含まれています。色もきれいですし、食べても香っても良いものだなと。
栽培も抽出も100点を目指すため、今後、規模を大きくして継続していきます。

素材づくりへのこだわり

大島いい野菜を育てるには、簡単にいうとまずは土づくりがもっとも大切です。しっかりとした根っこが育たないといいものが作れません。土の中に多種多様な微生物が生活していれば、病気が増えることはありません。籾殻と鶏糞をしっかり入れて、雑草は極力早めに取り除く。圃場を常に清潔に保つというところにはこだわっています。そして植物にストレスを与えないように、肥培管理をしっかりと行うことが大事です。

安藤まりえ 大島さんには本当にたくさん教わることがあります。私たちも大島さんのように良い植物を作るためのスキルを身につけて、地域に活気を生み出すことを目指していきたいです。

香りを通して世界とコミュニケーションを

安藤まりえ富山県をフランスのグラースのような香りの街にしたいという思いが強く、これからのテーマの一つとして取り組みを進めていきたいと考えています。
今後は畑の規模を大きくして、栽培する植物を増やす予定です。富山の新鮮な空気のような香りづくりを、大切にしていきたいです。

安藤きこ香りは、世界とコミュニケーションが取れる一つのアイテムだと考えています。フランス語が話せなくても香りでコミュニケーションが生まれます。
富山の土壌から、海外の方とつながることができる事業にしていきたいと思っています。

大島HERBAL8さんは、今は紫蘇にこだわっていらっしゃいますが、私たちが生活していて、春になると沈丁花、夏になると口無し、秋は金木犀、日本の四季が香りでわかるように、季節の香りを模索してもらいたいなという期待もあります。
和食の良さと同じように、日本人好みの香りを追求してもらえたらうれしいですね。